DNS のルートの鍵が2026年10月11日に切り替わりました:サイトが急に開けなくなったときの確かめ方

多くのサイトの運営者は、何も変える必要はありません。確かめるのは、社内で DNS を自前で動かしている場合です。

公開日:2026年10月16日

「昨日から、会社のネットワークからだけ、どのサイトも開けない」「スマートフォンの回線では開けるのに、社内では開けない」。
2026年10月11日、インターネットの住所録にあたる DNS の、最上位の鍵(ルートの KSK:Key Signing Key)が切り替わりました。
本記事では、何が変わったのか、Webサイトの運営者は何をすればよいのか、社内のネットワークでサイトが開けないときにどう確かめるかを説明いたします。

結論:多くのサイトの運営者は、変更は不要です

  1. Webサイトを公開している側は、通常は何も変える必要がありません。Cloudflare は「ほとんどの Webサイトの運営者は、この切り替えのために変更をする必要はない」と説明しています
  2. 確かめる必要があるのは、社内で DNS の名前解決のサーバー(リゾルバー)を自前で動かしている場合です。古い設定のままだと、正常なサイトにも届かなくなるおそれがあります
  3. Cloudflare の DNS・1.1.1.1 は、新しい鍵に対応済みです。Cloudflare の名前解決のソフトウェアには、2024年7月から新しい鍵が組み込まれています

何が切り替わったのか

DNS には、答えが偽物でないことを確かめる仕組み(DNSSEC)があります。
その確かめの出発点になる、いちばん上の鍵が「ルートの KSK」です。
今回、2017年からの鍵(KSK-2017、番号 20326)から、新しい鍵(KSK-2024、番号 38696)へ切り替わりました。ルートの鍵の切り替えは、今回が2回目です。

切り替えの日2026年10月11日
古い鍵KSK-2017(番号 20326)
新しい鍵KSK-2024(番号 38696)。2025年1月11日からルートに掲載済み
暗号の方式どちらも RSA/SHA-256(変わりません)
今後の予定古い鍵の失効と削除は2027年の予定(ICANN)

影響を受けるのは、どんな環境か

影響を受けるのは、DNSSEC の確かめを行う名前解決のサーバーのうち、新しい鍵を信頼していないものです。
そのサーバーを使っている端末からは、どのドメインのサイトにも届かなくなるおそれがあります。
次のような場面にあてはまる場合は、社内のネットワークの担当の方へ確認をお勧めします。

  • 社内のネットワークからだけ、多くのサイトが開けない
  • スマートフォンの回線に切り替えると開ける
  • 社内に、長く設定を見直していない DNS のサーバー(BIND・Unbound・Windows Server の DNS など)がある

確かめ方:ブラウザーで開くだけの方法

Cloudflare が紹介している確認のページ https://dnstest.dev/ksk-2024/ を、社内のネットワークにつないだ端末のブラウザーで開くと、いま使っている名前解決のサーバーが新しい鍵を信頼しているかを確かめられます。

コマンドで確かめる場合は、規格(RFC 8509)で定められた、確かめ用の名前を問い合わせます。

問い合わせる名前新しい鍵を信頼しているとき信頼していないとき
root-key-sentinel-is-ta-38696.dnstest.dev答えが返る失敗(SERVFAIL)
root-key-sentinel-not-ta-38696.dnstest.dev失敗(SERVFAIL)答えが返る

2つの名前の結果が「逆になっている」ことが、新しい鍵を信頼している合図です。
どちらも答えが返る場合は、そのサーバーがこの確かめの仕組みに対応していないことを表し、判定はできません。新しい鍵が無いという意味ではありません。

弊社が手元で確かめた結果

2026年10月16日に、公開の名前解決のサービス2つへ、上の2つの名前を問い合わせました。

名前解決のサービスis-ta-38696not-ta-38696判定
Cloudflare(1.1.1.1)答えが返った失敗(SERVFAIL)新しい鍵を信頼している
Google Public DNS(8.8.8.8)答えが返った答えが返った確かめの仕組みに未対応のため判定できない

Google Public DNS で判定ができないことは、異常を表すものではありません。
このように、確かめの方法そのものに対応していないサーバーもあるため、判定できないときは、ブラウザーの確認のページと、サーバーの提供元の案内をあわせてご確認ください。

新しい鍵を信頼していなかったときの対処

  1. 名前解決のサーバーの提供元の案内に従い、新しい鍵(KSK-2024)を信頼する設定にします
  2. すぐに直せない場合は、社内の端末の DNS の参照先を、一時的に Cloudflare(1.1.1.1)などの対応済みのサービスへ向けます
  3. 直した後に、上の確認のページで、もう一度確かめます

まとめ

今回のルートの鍵の切り替えで、Webサイトを公開している側が変えることは、通常ありません。
「社内からだけ開けない」というご相談をいただいたときは、サイトの不具合を疑う前に、社内の名前解決のサーバーを確かめることをお勧めいたします。
弊社では、Cloudflare を使ったサイトの配信・保護の設定と、こうした「サイトが開けない」ときの切り分けをお手伝いしております。

出典

  • Cloudflare Blog「The keys to the Internet change on October 11. Are you ready?」 https://blog.cloudflare.com/root-ksk-2024-rollover/(2026年10月16日 確認)
  • IETF「RFC 8509 A Root Key Trust Anchor Sentinel for DNSSEC」 https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc8509(2026年10月16日 確認)
  • dnstest.dev「KSK-2024」 https://dnstest.dev/ksk-2024/(2026年10月16日 確認)